この数日はなぜか毎日のようにわりと遠くまで出かけている
こういうこともめずらしい


片目をつぶって見ると、距離感がわからなくなるという話はよく聞く
たしかに片目を手で隠してみると、距離感わからんように思うが
隠したり、手をどけたりして見え方を変化させてみても
あっ距離感失った、あっ距離感蘇った、というような実感はあまりない
なんとなく深みのない見え方になったな、という程度で
歴然と何かを喪失したというようにはかんじられないな、などと思いつつ
片目を手でかくしたりかくさなかったりしていた



このところ気温が落ち着いたようだ
記憶の中にある夏はこの程度のかんじ。せみが鳴き、歩いているとほんのり
汗をかき食べ歩くアイスがうまいと思える余裕がある、ちょっと数日前までの夏感は
常軌を逸していたんだなと思う。この具合こそが夏として正しい

藤沢街道を北上している間に日が暮れた
日が暮れるとすっと涼しい風になる。住宅の多い地域で
住宅地の夜特有の空気の匂いになってる。この匂いは何に由来するのだろう
アスファルトと建材とかの匂いなんですかね、石ころをくんくん嗅いだ匂いに少し似てる

通りにはファミリーレストランがあり、 通り過ぎると厨房からの匂いを感じる
あれもいい。様々な料理をつくるファミリーレストランならではの、混ぜすぎて
元がなんだかわからない漠然としたうまいものの匂いになってる
通り過ぎるとまたすっと住宅地夜の匂いがはじまる
車の流れが速まると、排気ガスの匂いが濃くなる

八王子を過ぎると、山林が現れる箇所もあり
そうすると匂いはまた別のかんじになる
季節、場所、時間帯、天気、それぞれの要因で空気の匂いが変わって
その味わいにその土地の説得力を感じて遠くまで来たという気持ちがつのる