VRの体験に行った

VRとは、そういうテクノロジーの名前だ
ゴーグルのような形のモニター機材で、これを頭に装着すると
視界全体に映像が映しだされ、また頭や体を動かして視界映像を操作できる
振り返る動作をするとそれを機械が検知して映像も振り返った先の視界が出るわけだ
そうすると映像内の世界にあたかも自分が身を置いているかのような
没入感のある映像体験ができるというものだ
それの体験が出来る施設があるというので、友人に連れて行ってもらった



危険な高所や、スピード感のある空中体験、非現実的空間といった
生身では味わうことの難しい光景を、自分で操作して見物することができる
新鮮で面白いものだった

自分の視界が機械に制御される

感覚としては、夢のなかの体験に近い
実際の光景と無関係にあたかも空を飛んだり、危険な目にあったりする
おれが体験した映像では、すごいスピードででかい岩に激突したが
衝撃が加わる瞬間、うわっ、と身構えるが、痛みがあるわけではない
経験としてはあるのに、視界以外の身体感覚の部分をすぽっと抜き取られたような

それではっと目が覚めるように、映像が終わって現実の景色に戻れる
妙な実体験をしてしまったなという気分になる


えらいもんが発明されたものだなと思う
もしかして写真を初めて見た人や、動画を初めて見た人もこんな気分だったかもな
肉眼で見るものを、テクノロジーが新しいものに変化させてくる

驚きと面白さと、微妙な警戒感がある
新しすぎるものには警戒感が生まれるものだが
総合的には面白い体験だと思った





「おどかす」と「おどろかす」について

たまたまパソコンでこれらを漢字変換することがあったのだが
それぞれ「脅かす」「驚かす」となり、それぞれ違う漢字があてられている
 
音だけで言ったり聞いたりする場合、これらの違いを意識したことは
なかった気がするし、わりと曖昧に使っていたように思うが
字で見ると明確に印象が異なる
「脅かす」は恐怖を抱かせるような感じなのに対し
「驚かす」は単にびっくりさせるというような意味合いに見える

こうして考えてみるまでは、いわゆる「ら抜き言葉」 に近いような
どっちでも意味は通じる言葉の仲間のような気がしていたが

文字で見る時と音で聞いたり言ったりするときの印象がこんなにも違う
また、曖昧だと思っていたのに漢字と音が結びついた途端に
なんだか境界線が急にはっきりと現れたようで

漢字というのは音と意味両方を含んでいるから
たまにこういうことがある
口には出すけど字では書いたことのない言葉をいざ書こうとしたとき
どきっとしたりして、それがまた結構愉快だったりもする