取り返しのつかないことをしなければ見れない景色というのはある
生きて帰ってこれない場所に行かなければ見れない景色

たとえばロケットがあったとして、人類が出しうる最高速度で地球を発射し
50年とか飛び続けてようやくたどりつける星の景色
ぜったいに這い上がれない、前人未到の谷底の景色

しかし語り得ないものでもあるとおもう
見た人が帰ってこれない、こんなだったと語る人がいない
理屈の上では存在するが、だれも見た経験を持ち帰れない
その目で確かめて、帰ってこれなくなるしかない
そういう未確認世界はある、あるけど語ることが出来ない

それは死と同列にも思える
死後の世界、死んだらどうなるのかというのと変わらないレベル
死に隣接する、または死と同義の世界というかんじがする


むかしは、そういう世界がもっと広くあったのだろう
というよりも死の世界に対して生の世界
生きて行って帰ってこれる世界が狭かったということがある
行ったら確実死だった山も登頂成功しているし、潜水艦が開発され
到達不能だった深海にも生きた人間が行ってこれる
離島にも船で行ける
いずれの場所もかつては死と同列にある世界だっただろう



フィクションや創作物の世界ではそれを描くことができる
ゲームにそういうのあるかな
広いフィールドのなかに
踏み込んだらリセットボタン押すか死ぬかしないと帰れない場所があったら
それか、セーブデータを消さないと行けない場所
そこに描かれる世界は死に近いものがあるように思えるが