繁華街でない夜道を歩いていると、電灯のない完全な闇というのがときどきある
本当に黒の中の黒というような影を目の当たりにすると
こんなに黒いもんはないなという気持ちになる、影というのは。

どう凝視しても真っ黒な暗闇の場所で目をおもいっきりつぶってみると
明らかに、外界の漆黒とは種類の違う闇になる
それも、目をつぶらない時よりも明るく感じられる気がするのだが
これはおれだけだろうか、おれだけかもしれんが


ふつうに考えると、目をつぶったら目をつぶる前以上に
光はシャットアウトされますから、よけいに暗くなることはあれど
明るくなることはないのではと思うが、不思議な事にまぶたの中で
微弱な光が発生しているかのごとく見えているように思えるのです

暗闇が真っ黒であるのに対し、目をつぶった闇は
赤と緑の間というか、赤と緑が同時に見えているような
あるいは蛍光色のような質感を持った黒が見えているようで
またそれと同じ感じの色合いの線のようなものがランダムに
見えてきたりする
そして、それは目をあけて見る暗闇よりも明るいように見える
思い返せば小さな子供のころからこのように見えていた
まぶたの裏はピンク色をしているから、それがうっすら見えているのかとも
思ったこともあるが、なんにせよ完全な暗闇でそれよりも明るく見えることの
理由にはならない





調べてみると、目というのは物理的な刺激についても光として
感じる性質があるという。つまりこの場合は
目を閉じたときのまぶたの圧力により眼球に加わった力がぼんやりと
視覚的信号として感じ取っているものと思われる
なるほどね。。。。。。。

そうだと考えると不気味なのは
ふだん生活しているとき、目に入ってくる光の感覚はすべて光だと
思っていたが、光以外のちからがまぶた他からくわわった時
光以外のものを光として目撃していたということになる
目に見えるのは文字通り光だけだと思っていたが
光以外のものを視覚として日常的に捉えていたとすると
それが自然なことと思ってもへんな気分なる