大雪によってひどく混乱した地域もあるようだった
おれが目的地まで行くために利用するはずだったバスは休止していて
時間もあったし大雪が降った町をみるのもわるくないかと思って
雪の積もった道を何キロか歩くことにした

道行く人は小刻みな歩き方をしていた
また、歩道の雪をかいている人もいくらか居たが
凍ってしまっているところを金属のシャベルでがしがし削るようなことをしていて
それは日が照ってきたら簡単に取れるんだよ、と言いたかったが
力技で一定の効果を出しているように見えたので、そのまま通り過ぎた


道中いくつかのコンビニに寄ったが、どこも食べ物が少なかった
ツナマヨおにぎりを買おうかと思ったのに、おにぎりにいたってはひとつも置いてなかった
雪によって物流が不安定になったのだろう、国道16号もだいぶ混雑したと聞いた
うまく雪道を進めない車が一台でもいれば、混雑もするだろうな
まずはじめにセーブオンという比較的マイナーなコンビニに寄ったが品揃えの
壊滅具合に悲しくなってすぐ出た。つぎにあったのはセブンイレブンで、おにぎりは
同様に全滅だったが調理パンが少し売っていて、ツナのはさまったコッペパンと
バナナ味の調整豆乳を買ってたべながら雪道をあるいた

頭のなかでちい散歩のギターの音楽が再生されていた
白銀の世界を散歩するのも悪くないと思いつつも靴はだんだん雪に侵食され
しまいには靴の中で冷たい水がぶちゃぶちゃ鳴って散歩にはつらい具合だった
車もさすがに少なかったが、走る車の多くはタイヤにチェーンを巻いていて
独特の音をたてながら走っていた
郵便屋のカブも似たような音をたてていたからチェーンつけて走ってたんかな
おれは今日はさすがにバイクはやめたがプロは大変だな気合が違う
しかもカブはタイヤ細いから怖かろうな、、、


日が当たらない場所の雪は、一度溶けたか水っぽい雪だったせいか
がちがちに凍っていて、それはそれで歩きやすかった
場所によってはパウダー質を有しておりこれは靴にまとわりつき冷たいしとけるので
あまり歓迎されるものではない。なるべく踏み潰された場所をあるいた
厄介なのは日光でゆるんだ雪で、ほとんど固形の水たまりといった有様で
うっかり踏むとブシャっと炸裂し中の水が即座に靴に染みこむ
このような状況が数100メートル続いた地帯があり、靴が濡れるのはあきらめたね

歩いていると、ヤマザキショップがあった
ヤマザキショップというのはデイリーヤマザキのようなコンビニエンスストアの一種
だと思うが、かなり個人経営の指向の強い雰囲気をもっていて、商店と呼ぶに
ふさわしい雑多なかんじがあった。
ここにもおにぎりは無かった(サラダ巻きだけ残っていた)が、レジの前に
おつとめ品コーナーがあり、ランチパックの鶏肉が入ったものとみたらし団子が三本
入ったパックを買った。いずれも半額で合わせて150円ほどだった
店主とおぼしき老人と、雪のはなしをした

図書館で古新聞をもらい、平たく丸めて靴の中敷にして履いておき
しばらくおきに取り替えて何回かそれを繰り返すと、履いてて苦痛ではない程度に
靴が回復したのでそれほど苦にはならなかった