燃えるごみを捨て場に出すため、夜家を出た
朝は寝過ごしてしまうことや忘れてしまうことが多いから、夜遅くに出すことにしてる
ごみ捨て場までは玄関から200メートル程度の距離がある

星がでていて、みながら歩いていたら飛行機が点滅しながら飛んでいた
あれを人間が操縦しているということを考え妙な気分になる
飛行機は高度一万メートルくらいのところを飛ぶというから、十キロメートルむこう
ということだな、たかだかその程度の距離にいる乗り物というだけの話だが
上空であるから断絶の感じは強まる
飛行機からは、こちらの様子はわからないだろうが街路灯くらいは見えるか
よそ見なんかしないか、わからないが


高速道路を車に乗って走っているときのことを思い出した
高速道路からみる景色は、わき道のない高速道路特有の断絶感がある
田舎を通り抜ける夜の高速道路では、田んぼの向こうや山すそにぽつりと家の明かりが
見えることがしばしばあるが、その明かり一つ一つのもとに人間がくらしていることを思うと
不思議な気がしたりするものだ
飛行機からうちの近所の街路灯を見てパイロットはそれに似た気分に
なっているかもしれないということを考えた
地上でごみを出したりしてる者がいるかもしれないということを想像してるかもしれない


この文を読んでいる人のなかで高速道路の車が見える家に住んでいる
人もひょっとしているかもしれない、そういう距離感についても考えがむく
高速道路のそばに住む人は、地上から飛行機を見るのに似た気持ちで
夜ごみを捨てに行きながら車が高速道路を行くのを見ているだろうか

名前も顔も知らないだれかが、移動しているということだけがわかる