考えがまとまらないため散歩に出かけた
駅へ向かったり、ジョギングをすることはあるが、ただ歩くというのは
意外とめったにないということに気付いた


だらだら歩くという表現がふさわしい歩き方で歩く
遠くの建物を見たり、川面を見たり、アスファルトや草や苔を見る
通り過ぎる軽自動車のドライバーの顔つきを見る。無表情。

ミョウガが生えている場所をチェックすると、いくつか出ている
近日袋を持ってきて採取することにする

ナナフシが道で轢かれていて、それにアリがたかっている

工事現場の詰め所の明かりがついている

石垣、擁壁を見て、どうすればよじ登れるだろうかという想像をする

民家の敷地と道路のアスファルトの間の段差が丁寧に埋められている
幅15センチくらい、そこだけ新しいアスファルトの色をしていた

野菜の無人販売所で、唐辛子、ししとう、栗が売っていた
ししとうがたっぷりはいった袋が50円。安い
草むしりをしているおじさんがいる

家が取り壊されたあとの土地がある
雑草が密生していて自然に還りかかっている
記憶にあるかぎりずっと空き地だが、取り壊されたてのときの光景が
ちょっとだけ記憶にある。剪定バサミの残骸やナットが落ちていたりして
あと下水の穴が地面に残っていた
いまは草に覆われてわからなくなっている

カーブミラーについている「カーブ注意」という標識を留めているネジが
外れていて、それを針金で補修した形跡がある

昔オオケマイマイを見つけた場所を通り過ぎる
オオケマイマイは居なかった

橋の欄干のところにへんな草が生えている
葉っぱがすごく小さく、密集している。その一箇所にしか生えていない
そこだけミニチュアの盆栽かなんかのように見える



道中を詳細に思い返すと、まるっきり景色を見た記憶がない部分がいくつかある
景色の映像の記憶が断片的で、抜け落ちている
その区間では考え事がはかどっていたのかもしれない
もう少し考えがはかどることが必要