見たもの/劣化した布

ジョギングに出かけた
元日に軽く降った雪が地面にいつまでも残っている箇所があったが
昨日降った雨によってだいぶ解けてなくなっていた
しかし日光がたいして当たらないような場所は日中も霜が消えず
雨が乾かずに薄く霜になっていて少し滑る
そういうところを慎重に走ると靴底に少しへばりつくような感触がある


すれ違った車のことを一台も覚えていないなと思った
比率からいって一台もすれ違わないということはまずないし、もしそうだと
すればそのほうが異常で印象に残るだろうから、不自然でない程度に
車とすれ違っているはずだが、とよくよく思い返してみると
郵便局の前と、交差点のところでそれぞれ一台
追い越された記憶があることに気付いた

気にもとめていなかったことをあとで無理やり思い出そうとして
ぎりぎりのところで記憶にかすっているものを呼び起こすことができて
自分で勝手に胸のつかえを作り出してそれがとれて喜んでいるような

歩行者とすれ違ったのは一人覚えている
遠目には犬を散歩させているように見えたのに、近づいたら一人だった初老の女性
道を工事してて交通整理の光る棒をぶらぶら動かしていた男性
狭い歩道で道を譲ってくれた消防署員らしき男性

見た景色どれだけ覚えていられるのだろうか


運動着にしているウインドブレーカーのズボンの
内側の生地が劣化して穴が開き始めている
外側はなんともないので履けなくはないが、寿命近いかもしれない
最近身の回りの長く愛用している布製品が相次いで寿命を迎えている

綿入れ半纏の裏地も部分的にかなりぼろぼろになってる
よく擦れる脇の下、左右の腰の部分が網のようにほぐれて
着れば着るほどだめになっていくから、対策が必要
適当な布をあてて縫い付ければいいだろうか
運動着ではそうはいかないだろうが、半纏なら布が増える分保温性能が
上がってむしろいいかもしれない