テレビをつけていたら、なにかの番組で渡辺謙がインタビューに答えていた
人体の細胞は三ヶ月くらいで入れ替わる、というようなことを言っていて、そこだけ聞いた
同じことを、前にもどこかできいたことがあるのを思い出した

三ヶ月だったかは忘れたが、そうらしい
新陳代謝で古い細胞は体から排出され、また細胞は新しく作られる
爪なんかはぐんぐん伸びて切りますから、それがわかりやすい
骨とかもそうなのだろうか


そうするとなんとなく、三ヶ月ふぬけた生活をしていたとすると
全身がふぬけた体に切り替わってしまうかもしれないな、と思って少し恐ろしくなる
そういえば、膝の痛みからジョギングを休止して三ヶ月くらいになる気がする
正確には覚えていないが……

今日も走った。平常時の三分の二くらいの距離にしているにも関わらず、走り切れないのは
いつもの距離を走ったことのない細胞に全身切り替わってるからなんじゃないかなと思って

「このくらいなんでもない距離だ」とおぼえているおれの脳みそも
三ヶ月の間に組織がそっくり切り替わっていて
いまの新しい脳細胞は、もう体外に排出された古い脳みその細胞から
「こんくらいの距離はなんでもなかった」と伝え聞いているだけの状態かもしれない
肺も、足もそうかもな
全身の細胞が、こんなはずじゃないと思っているかもしれない
なんにしてもそれを気分で制御していくだけだ


思えばそれが脈々と続いて生活してきたんだな
ずっと不定形で基準なんてなさそうなものだが