住宅地を歩いていたときのこと
喉が渇いたので自販機を探していると、見つかったのは
安値をうりにしている無名ブランドの自販機だった

最も高いものでも500ミリリットルのペットボトル飲料が100円で
ほかに80円や50円のものもあり、でかでかと値段が書いてある

見覚えのあるようなないようなジュースのラインナップのなかに
マウンテンイエロー
という名前のジュースがあった
明らかにマウンテンデューとメローイエローのぱちもんである
ロゴのデザインは昔のマウンテンデューを模した形跡があり
配色はメローイエローそのままという
100円

買ってみることにした
この手の格安自販機でジュースを買うことは意外とないもので
ほんとうにこんなジュースが存在するのか
しれっと別なジュースが出てくるんじゃないの、などと思ってしまう
自分のなかの格安自販機への信頼度の低さに自分で驚きつつも
100円入れてボタンを押すと無事マウンテンイエローが出てきた

どうせマウンテンデューとメローイエローの中間のような味なのだろうと
思っていたがその予想は悪い方に裏切られた
かき氷のシロップを炭酸にしたような、非常に駄菓子然とした味で
マウンテンデューやメローイエローを模したにしては残念なものであり
うーむと思ったがべつに爆発的にまずいわけではないし
喉は潤ったのだから目的を果たすことは出来た、と考えることにした


まだまだ寒い日が続くが
日が暮れた頃の住宅地をてきぱき歩きながら
冷たい炭酸飲料を飲んでもつらくないくらいの気候で
もう春が近いんだなと思った