ペンタブのニス塗り。
日に二回ほど重ね塗りしては研いですべすべにする作業をしてるが
適当なところでやめようと思いつつちびちび塗り重ねてしまう
ペンタブを使う作業が始まったらやめて使用開始する




旅先でたまたま寄った古本屋で
いいかんじの古雑誌をみつけて、それを会計に持っていく途中
本棚に刺さっていた冊子が偶然目にとまった

ある地方の郷土資料館で平成初頭にやっていた企画展で
周辺の自治体の広報誌をテーマにしたものの図録だった
ただならぬ気配を感じてそれも買うことにした
100円だった。古雑誌のほうは200円。

家に帰ってぱらめくりしていくと
広報誌の表紙が1ページにでんと配置されたものが何ページにも
渡って羅列されていたり、郷土史を紹介するワンコーナーばかり
抜粋した章、編集後記ばかり集めた章などがあった
 
なんでこんなにわくわくするんだろう
縁もゆかりもない地域の、手にしたはずもない広報誌たち
その地域に住んでいる人ですら、さほど注意を払わない人も多かろう
そういうものを、地域を横断して収集し、その微細な差異を味わう
そういうことを、ある地域のある期間だけだったとしても、やった人がいて
展示をし、図録にまとめたんだということが、冊子を通じて伝わった
 
今だって、津々浦々の自治体で脈々と発行され続けている広報誌たち
市町村の数をネットで検索して調べたら、1718もあるという
区が含まれていないようだから、それ入れたらもっとあるね
その数だけ、 広報誌は毎月発行され続けてんだろう
市町村合併で廃刊、新創刊があったりもしたことだろう
いままでに一体何冊の自治体広報誌が発行されたんだろう

 
辞書を見て、日本語のことばの数の多さのことを思ったり
昆虫図鑑を見て、こんなにいろんな種類の虫がいるんだと思ったり
それはそれでわくわくすることだが、そういうこととはまた違う
何もないと思っていたところに思いがけない深い空間があることを知るおどろき
ぽんと合わせ鏡を置かれて、ひるんでしまうような
 
きっと今この瞬間にも、見過ごしているもののなかに
莫大な面白みの重層があって、一皮めくれることに気がついたとたん
わくわくすることができるんだろう
そういう可能性をちらつかせてくる、強い力がある