大都会の電信柱

昨晩、布団乾燥機でほかほかにした布団に入ると案の定すぐに寝てしまい

なんの日記を書くべきだったのかを考える暇はなかったのだった

 

見た夢も、断片的だった

物忘れを防ぐ真鍮の金具だったか、記憶をそこに保存できるんだったか

とにかく脳に関与する機能を持つ、真鍮の金具が登場したことだけは覚えているが

前後の出来事は無かったか、覚えていない

目が覚めたときの体感として、 そこそこ長く寝た感じがあったから

関連するなんらかの夢をたっぷり見て、さっぱり忘れてしまったんじゃないかと思う

 

 

 


ラジオから流れてきた歌で、「大都会」という歌詞が出てきた

大都会か……

「大都市」は聞くけど、「大都会」は最近めっきり聞かない言葉だな

 

大都市という言葉からは、人口が多くて鉄道網が発達して、といったような

ハードウェアとして巨大な市街地が想像されるが、大都会というと

ネオンがきらびやかだったり、若者が憧れる文化と商業の中心地というような

もうちょっとソフト面での華やかさをもった場所、というような印象になる

 

大都市に吹く風は、ビル風とか、風速で表せる風を思い浮かべるが

大都会に吹く風は、薄汚い排気ガスにまみれた風って感じする

似たような言葉だが、そこに情緒の有無があるように思える

 

 

ほかにもなんかそういうのあるかなと考えたら

「電柱」と「電信柱」がそうかもしれない

あれは厳密な意味で言えば、電柱は電力柱といって、電気を送るためのもので

電信柱は電話線のために設置されているものという、用途の違いによるものなんだけど

「電柱」というと、無機物、設置物、物体としての電柱を思い浮かべるし

「電信柱」というと、もうちょっと情景を伴った印象になる気がする。

あとちょっと昔感もある



「大都市の電柱」と

「大都会の電信柱」を

交互に思い浮かべると、そこには漂う風情の違いがたしかにあり

似たような言葉がもつフィルターの違いを、ガムを噛むように味わえる

いかがですか