幼少時のことを限界まで思い出す取り組みをしている
出来事というよりは、キーワードを引き出す

よく通過していた道にあった店の名前を思い出す
一度だけ行ったファミレスの内装を限界まで思い出す
近所の駐車場にいつも停まっていた車の断片的記憶から
車種やモデルを割り出す
そのころは売っていたジュース
やってたテレビコマーシャル

そういうもんを頭でめぐらせていると、いざ当時の写真や
昔行った場所の写真を見たりしても、まったくピンとこないことある
脳内で熟した思い出情報が実体験と離れてくる
いつまでも生々しい過去のきおくが実体験そのままとはかぎらない
ちがってることのほうがおおいかもしれん



幼稚園児だったころにあそんだことのある公園で
通称「古墳公園」という場所があった、公園の真ん中に古墳が保存されており
おれは勝手に入って古墳の上でカナブンをとったりした

小学校になって、社会科の授業で、古墳のことをならったとき
古墳というワードが脳の古いところと急にリンクしてきて、古墳という言葉が
ほかの社会科用語とはまったく違った響きをもってあらわれてきた

なぜか社会科の授業を音楽室でやってたことがあったんだが
そのせいか、古墳というワードはそのころ習ったうたを連想させる


記憶の洗い出しをしていると、言葉どうしが玉突きのように連鎖して
あれもこれも脈絡のない懐かしいワードが異常に思い出されてくる
実体験とは少し異なるなぞの過去を言葉がつくりだしてくる
まったくとりとめがない、それでいてリアル