商店建築の設計にかんする本を読んでいたら
思いがけず長年謎に思っていた設備の正体について分かった
  
アネモスタットという装置だった。
しばしば公共施設や店舗の天井についている、波紋のような形をした
空気口らしき穴で、換気扇の穴なのかなとずっと思っていたが逆で
空調の吹き出し口だということだ
空気を部屋のすみずみまで行き届かせるためああいった形状をしているという
またアネモスタットという名は商標らしく、正式には空調用ディフューザーと
いう名称だという



商店の設計にも、いろいろとルールがあるようです
ショーウインドーに客の姿がうつらないようにするための照明の具合や
骨組みの鋼材の特性、店の規模による通路の広さなどなど
読んでいてなるほどと思うが、客として店をみているときにはまったく
気が付かないようなことが多くあり、こまやかな配慮やルールが
一般的な店構えの雰囲気、なんとなくの秩序を生み出しているのだろう

店の成立年代によっても、古臭い店構え、垢抜けた店内などあるが
店作りにも時代による風潮がある可能性がある、その時々の職人の知る
ルールにのっとって、一般人にはわからない配慮でもって建造される。
その差が、時代性、なんとなくの古臭さをかもしだしているかもしれない
建材や工法の進歩も、外観のディテールに変化をもたらしている

目に見えないところで作られる統一感や奥深さがあることを考える
つくる側の思考に触れてみてはじめてその謎があらわれてくる
古臭さの秩序があるのか。
すべてがいい加減だったなら古臭さすら発生しないということだろうか