続き物の漫画などで、ここまでの「あらすじ」が書かれることがある
現時点までの大まかな話の流れを記したものだが

漢字で書くと、「荒筋」もしくは「粗筋」となる


ひらがなだと、言葉のイメージ通りに感じられる
ぼんやりと大掴みな「あら」、シュッと要領よく情報をまとめた感のある「すじ」
ざっくりと、しかし適切に要約された感じが伝わってくるが

漢字だと「荒」の「筋」だ。「荒々しい筋肉」という雰囲気の字面で
また「粗」、ざくざくすかすかした、これはこれで弱そうで逆の雰囲気がある
どちらにしろ「筋」である
どうもストーリーの要約という言葉の本来の意味から遠いような気がして
ほんとうに「あらすじ」の漢字は「荒筋」「粗筋」なのだろうか?と思って

どうやら正しいようだが


今まで見たあらすじのことを思い返すと
漢字表記でなくひらがなの「あらすじ」が多様されているような気がする
みんな漢字による言葉の強さが気になって避けているのだろうか
荒かったり粗かったりする「筋」、という言葉がもつ気配は、物語の概略を語るときに
出来れば避けたいものかもしれない
それとも他に理由があるのだろうか


カタカナだとどうか
「アラスジ」
魚のアラと、スジの多い肉質の組み合わせというふうに見える
「アラスカ」にもちょっと似ていますね
「ア」と「ジ」で挟まった単語には鯵のイメージもぼんやりつきまとう
なんとなく食用に向かなさそうなアラスカ産の魚類というかんじの言葉だな


ひらがなカタカナ漢字で言葉の表情がずいぶん変わる
適切なものをあえて選んで使い分けている場面というのは案外多いかもしれない
なんとなく、で言葉の気配を選んでるのだろう
こうやって日記を書いてるときにも無意識に文字種のチョイスがなされているのかと
考えるとぱかぱかやってた文字の変換も少し慎重になる